| まだ。お茶の間にテレビが1台だけだった60〜70年代、1つのTV番組をみんなで楽しむのが我が家の常。「今日はおもしろか映画があるけん、遅くまで起きとってよかろう?」とお袋にお願い、いつもは早く寝なくちゃいけないのに、11時まで夜更かし。今夜のお目当ては淀川長治さんの日曜洋画劇場。そんなある夜に観たのが、ラルフ・ネルソン監督の63年の映画「野のユリ」。アメリカにやって来た東ドイツの修道女たち、荒れ果てた土地に教会を建てようと頑張るも女手だけではちっとも捗らず、ふとしたことから出会った行きずりの黒人青年ホーマー・スミスをつかまえ、教会を建設を手伝わす。院長とホーマーのやり取りがとってもコミカルで、ドイツ出身の彼女がスミスのことを「シュミット! シュミット!」と呼べば、呼ばれたホーマーのふてくされた表情がとっても妙でおかしかったな。音楽を担当したのは、ジェリー・ゴールドスミス。黒人霊歌「エーメン」を基調としたスコアを仕上げ、心温まるストーリーをいっそう味わい深いものにしてます。
ラルフ・ネルソンは後に「まごころを君に」「ソルジャー・ブルー」を発表、監督の一貫したテーマが見えてきますね。主演のホーマー役のシドニー・ポワチエは、この映画でアカデミー主演男優賞を受賞。彼が出演した映画には音楽がらみのものがあり、「いつも心に太陽を」でルルの「To Sir with Love」、「夜の大捜査線」でレイ・チャールズの「In the Heat of the Night」など、主題歌が話題になりましたね。そして、彼の奥様、ジョアンナ・シムカスが出演した67年、ロベール・アンリコ監督の「冒険者たち」も外せない青春映画の傑作。フランソワ・ド・ルーベが音楽を担当、アラン・ドロンがロマンチックに歌う「Laetitia」、男の友情と哀愁が漂ってていいのよね。
といいわけで、日曜洋画劇場は幼少期に身につけた知識の源。 |
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